97人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな言葉を投げつけられ、時には容赦なく傷つけられた。彼らに歯向かっては駄目だ。そう知るのは早かった。そして、自分は半妖で彼らに嫌われ、駄目な存在なのだと知った。役小角の奴隷なのだと言われても、反論することもできなくなっていた。だって、役小角はそれからほとんど姿を見せたくなってしまったから。
「だから」
何が間違っているの?
そう、僧正坊に、花音に訊きたい。彼らはどうしてマメが間違っているというのだろう。全然解らない。解りたくなかった。なのに、現状はどんどん変化して、マメに変われと要求してくる。妖怪たちはマメを排除するだけでは納得しないのだ。
「僕は」
「もっと不安になれ。そしてあの自惚れる小娘にお前の正体を見せてやれ」
「っつ」
どうしようと考えるマメの耳に、不穏な囁きがある。はっと気づいた時には遅く、マメは気を失っていたのだった。
家に帰ると、心配したでしょと花恋に思い切り怒られた。まあ、当然だ。あれだけ大騒ぎになっているのに七時に帰宅。心配しないはずがない。
「ごめんなさい。つい、優里と話し込んじゃって。そこにその、先生が」
最初のコメントを投稿しよう!