魔法使いあまね

1/8
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

魔法使いあまね

『おばあちゃんは、魔法使い』。それが、あまねちゃんの自慢です。  おばあちゃんは、いろんな魔法が使えます。転んでケガをしたひざこぞうから、痛みを消し去ることができます。冷えてしまったカチカチのごはんを、おいしいおむすびにすることができます。穴のあいた靴下を、かわいいぬいぐるみに変身させることだって、簡単にできちゃいます。  あまねちゃんは、おばあちゃんのことが大好きでした。  おばあちゃんと一緒にいると、いつでもあったかな気持ちになります。お友だちとケンカをしても、近所の犬にほえられても、おばあちゃんのそばにいれば、あまねちゃんはそれだけで、とっても幸せなのでした。 (おばあちゃんみたいに、なりたいなぁ。魔法が使えるようになりたいなぁ)  あまねちゃんは、いつもそう思っていました。  ある日、作文の時間に、将来の夢を書くことになりました。あまねちゃんは、しっかりとした大きな字で書き始めました。 『私は、将来、魔法使いになりたいです。おばあちゃんみたいに、たくさんの魔法を使って、世界中を幸せにします……』
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!