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巨大ネコに姿を変えた、ニャロッペは、チーターの俊敏さでカケルとマサルの目の前までたどり着く。
フサフサの白い尻尾でマサルを地面からすくうようにほうりなげる。
地面に打ち据えられたマサルにぷにぷにの肉球を向けると、
「猫パーンチ!!」
「うぐうう!!」
うめき声をあげながら体を痙攣させるマサル。
そのマサルの胸に、黄金のドリルとなった麗華の縦ロールがトドメをさす。
鋼鉄の硬さとなった麗華の縦ロールが、マサルの心臓を直撃する。
「ウィーン」
黄金のドリルが旋回しながらマサルの胸に埋め込まれていく。
マサルの白いブラウスが赤く染め上げられていく。
マサルは激しく手脚をばたつかせたが、まもなく動きが鈍くなった。
**
「カケル!! 大丈夫!?」
麗華とニャロッペがカケルにすがりついた。
我に返ったカケルが目線を下げると、そこには首に締められた跡を作って、泡を吹いた兄がいた。
自分とよく似た顔には、巨大な引っかき傷。
胸からは滝のような血を流している。
「兄さん! 兄さん!」
マサルは兄を揺り起こしたがもう虫の息。
「麗華!! ニャロッペ! マサル兄さんになにすんだよ!?」
仲間に食ってかかるカケルに
「カケル……これを見て」
ニャロッペがマサルの手を指し示す。
マサルは刃がむき出しの短剣を握っていた。
「マサルはこれであなたを狙っていましたのよ」
麗華は言いにくそうに眉を垂れた。
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