序章

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序章

知りたかった。ただみんなはどう感じるのか。 俺は普通じゃないらしい。 「痛みを感じ無いって本当に人間なのかしら」 「笑わないし無愛想な子」 「泣かないなんて怖いわ」 「うちの子に近づかないでほしいわね」 いつだっただろうか。幼稚園年長組の時からそんなんだった気がする。 なんでこうなったかなんてその時は訳分からなくて。 医者はこう言った。 「君はお母さんとお父さんから“普通”ではないことをされてしまったが故に、“普通”じゃ無くなってしまったんだよ。」 『普通って…何?』 そう言っても目の前の医者も看護婦も返してくれなかった。 今もその意味を捜している。 “嘘”をつきながら でも本当は “嘘”と“本当” その意味も分かっていない 何が正解でもどうでもいいから___
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