キモチは彼に

1.始まりは

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「今日は、新しく仮入部に来てくれた人がいます。文化活動発表会を通して、吹奏楽部がいいな、と思ってくれたみたいです」

わくわく！私は、新しい吹部メンバーになってくれる人がいるかも、という事が嬉しくて、ドキドキしている。

実は、私が担当している楽器、フルートは私一人しかいないんだ。
本当は、1つの楽器に3人とかいるのが私たちの学校では普通なんだけど……。

元々は、フルートにも四人いた。
一人は、3年生の先輩で、文化活動発表会で引退。
もう一人は転校。
あとの一人は色々な事情で退部。
イコール、フルートパートは私だけ。
そんな、絶望的状況下の中、二ヶ月過ごしてきたんだけど、やっと仮入部の人が来てくれた。
私が中学校二年生の一月十五日。
地獄の始まりだ。