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「じゃあ、ここでするから、椅子おいて、譜面台組み立てて」
「え、どうやって組み立てるん」
「あ〜……じゃあ、一緒にやるか」
私は、戸山と一緒に譜面台を組み立てる。
そして、運指表と私のチューナーを戸山の譜面台に置いた。
戸山は、チューナーを興味津々に見つめる。
「何これ」
「これは、音の高さ合わせるやつ。高いとか低いとかわかる」
「へー」
私は、自分の楽器を組み立てて、戸山にも説明する。
「これ、まず出して」
私は、戸山に頭部管(楽器を吹くところ)をもたせる。
「鉛筆みたいな持ち方で持って穴塞いだほうがやりやすいかも」
彼は、頭部管を持った。
「で、下唇に当てる」
この角度が一番難しい。どうやって教えようか……。
でも、私が教えて音が出なかったってなったら面倒くさいから、丁寧に教えよう。
「下唇の真ん中とこの穴の真ん中を合わせて、角度は地面と平行よりちょっと自分の方に傾けるくらいの感じ」
「うん」
戸山は、私の言ったとおりに吹くと……ピーという音が鳴った。
え……。なんで……!?
「すごい」
「うん」
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