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《傭兵:レオ》
ぎゃおおおおぉぉぉ―――
死の淵に立った魔物の咆哮は、どれだけ聞いてもなれるものでは無い。
絶命したことをきちんと確認し、突き立てた剣を引き抜いた。
対象を討伐した証拠は、心ノ臓と数枚の鱗でいいだろう。ついでに角を持っていこう。
行きつけの薬師に高値で引き取ってもらえるかもしれない。
戦利品の取捨選別を行い、手早く荷をまとめた僕は、次の仕事得る傭兵ギルドへ向かう。
突如現れた『魔王』という存在が大地を支配するまでは、金にも仕事にも困る日々を送っていた。
世界が平和すぎて、僕らのような力と向こう見ずな性格しか取り柄がない人間の需要がなかったのだ。
本当に、賊や魔物、戦が絶えない世を作ってくれた『魔王』には感謝してもしきれない。
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