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輝く星
「今、どこにいますか?」
星空に向かって大きな声で叫ぶ、菜乃花(なのか)。
「どこにいるんだろうね」
「お母さん、あの一番輝いている星じゃない?ほら、あれ!」
菜乃花の指差す方をみると、とても綺麗に、ひときわ輝く星があった。
「あー綺麗ね、あの星……」
「うん……きっとあれだよ!」
「今日はよく晴れてるから、たくさん綺麗な星があるけど、どうしてあれなの?」
「うーん、なんとなくかな」
「なんとなくねー」
3か月前のあの日から、毎晩の恒例となった夜空見学会。
雨の日でも曇りの日でも、必ず窓を開けて空を見上げて叫ぶ。
7月17日、菜乃花の7歳の誕生日。
この夜空見学会が行われるきっかけになった、ある事件が起きた。
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