テラに帰りむ。

1/1
前へ
/1ページ
次へ
小生は眠り屋まむ。 古びた廃屋を友人の花蓮と探索している。 「奇怪な事件が起こったという訳じゃな」 「そ。大学のオカルト倶楽部が行った召還儀式で」と西行寺花蓮。 花蓮は蝋燭を揺らすと。 「陰陽は天にくだりて、地にふりつむ。 光はわれわれであり、われわれは光」 花蓮は蝋燭の火に語りかける。炎が揺らめき、傍らにいたゴーストを照らした。 「ふむ。悪しきものどもが廃屋を歩き回ったようだね。 見なさい。粘液がある」 「そうじゃな」 「不思議だね。 これは昔おきた前世でもあるようだし、後世でもあるようだ」
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加