Merry

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暗い部屋、ぼやける天井。芽里を失って以来、何度彼女の夢を見ただろうか。けれど、今回の夢はいつもと違っていた。 「……ありがとう、芽里」 握りしめていたスマホを、少し離れたテーブルに置いた。明日、普通に仕事終わりに飲むくらいなら川口に付き合ってもいいかもしれない、と思いながらベランダに出る。いくつか星が瞬いていた。この星空だって、幸せを願ったあの星を造る1つだ。  今、どこにいる? 「芽里。俺は今、君を失った日からやっと、歩き出せそうだよ」
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