17時60分

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 静まり返った公園。  月明かりに照らされた花壇の花たちが、肌寒い風に揺られている。  僕は公園の土でできた道に突っ立ち、一日中座り続けたあのベンチを、ぼうっと見つめた。  なんで、こんなにもあの子のことを考えずには居られないんだろう。  これが一目惚れ?  でも、なんか、もっと違うような気がする。  ため息が何度も出る。  風が冷たくて、少し体が震える。 「一体……君はこの広い世界のどこにいるんだ」  なんでこんなに、会いたいんだ……。  暗い空を見上げて下唇を噛んだ。  瞳が潤んできたその時。 「ねえ、お兄さん。ちょっと道開けてよ」  突然、後ろから声をかけられた。  振り返ったが、すぐにその正体を目に映すことはできなかった。  だが、視線を下に移せば、その声の主が見つかった。  車椅子に乗った、酷く痩せ細った体の女の子。  余りの出来事に、息を飲んで固まってしまった。    その子はまさに、あの1分間の中で出会った彼女だった。  
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