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涙で視界が上手く見えなくて、走る足は止まらない。
タイミングよく、横断歩道が渡れの青マークになり、早く帰りたい一心であたしは走った。
急ぎすぎたのかもしれない。
『危ないーーーーー!!!!!!!!!! 」
人々の大きな叫び声と悲鳴が聞こえてきて。
その声にビクッと身体を揺らして、思わずあたしの足は止まってしまった。
目の前に乗用車のクラクションの音が、痛いほどに耳を貫いて、驚くあたしの脳裏に映りこんできたのは、桜の木の下で出逢った紘の綺麗な笑顔で微笑んだ表情が見えた。
“ごめんなさい”
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