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ねぇ、紘。
あたし達って本音で話した事が無かったね。
怖かったんだ。
あなたの口から“別れようか”と言われるのが。
それほど、あなたの事が好きだった。
手を繋ぐ事やキスさえしてくれない。
あゆみからは、何回も言われていた。
“別れなよ。結愛が泣くのを見たくない”
早く別れば苦しくなかった、とか。
紘の情報を知っていれば、あたし達は付き合れる関係じゃなかった、とかなんてわかんない。
それでも、紘が好きだったんだ。
あたしを見ていなくても、側にいたい。
あの“高瀬さん”の代わりでいいからと。
でも。あたしは本当に馬鹿だよね。
あの時、ちゃんと話を聞いていれば。
あたし達は変われたのかもしれない。
本当の恋人へ。
そして、あなたの心に届めなかった。
紘、ごめんね。
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