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ぜんぶ前夜
「では問題。前夜は一日だけ、と思っている人?」
「ハーイ」
「ブッブー。残念。前夜は本番前の一夜だけではなく、場合によっては10年20年、いやいや100年間も前夜という場合もあるのです」
…………
ずーっと前に見たテレビのローカル番組を思い出し、小生、今更ながらに「全部が前夜」そう確信したのじゃ。
そのローカル番組の中身はというと
『小学6年の時、同じクラスだった男女が15年ぶりに再会して結婚する』という、まあ、どこでもありそうな話だが、このカップル、実は両想い。
で、互いに卒業式の日にコクろうと決めていたものの、本番当日、男性も女性も根性?(笑)がなくて、コクれず、なにもなしで卒業。
で、お互い大人になって就職して15年ぶりに偶然バッタリ。
これもよくありげなストーリーだが、お約束の「夕ご飯でも……」ということになって
「実は私、卒業式の日に……」
「えっ、実は僕も……」
「おまけにいまだに独身で」
「げげっ僕も」
となり、その日のうちに結ばれ結婚!
まあ、このたぐいもよくある話で『結局、ふたりは赤い糸で結ばれていたのです、さてはめでたしハッピーエンド』的なテロップが流れてテレビのローカル番組はそれで終わったのですが、これって今考えると、小学校の卒業式からの15年間も「相手を思い続けた結婚前夜15年」ではなかったのか、と思うのです。
卒業式はウォーミングアップ?で本番は15年後、みたいな。
そう考えてみると「大した意味なく自分で決めた」や「その日でなくてもいいのに勝手に決められた」本番日と前夜の設定ミスってけっこうあると思うのだ。
私の場合「逆上がり」
運動神経ニブい方だったから練習してもしてもムリで、結局、マイノリティーグループになり、このマメはなんだったのだろうかと、テストの終わった日の夕方、我、手を夕陽にかざして悔し涙に明け暮れたもの、だが、数日たって、くるんと回れたわけ、いきなり。あんれまあ、いったい何だったんだよ逆上がりのテストの日にちは!それってあと3日ほど練習日=前夜くれたら合格だったじゃない!!!てな思い出。
これの代表例が先の東京オリンピックでしょう。
選出された選手は4年前からオリンピック当日に向けピンポイントで心と体をベストに鍛えあげる計画だったものが、1年の延期はそれはそれは大変苦労したと思います。
さてさて話はあらぬ方向に飛んでいきましたが、実はこれまでの話、正直に書くと「三行から参加できる超・妄想コンテスト お題『○○前夜』」に応募する話をうんうん考えていてのこの話。
で、結局、何が言いたいかというと「〇〇前夜」も「男性向けマンガ原作賞」も「平凡/脇役・モブがテーマの物語を募集!」も、すべて応募はいたしますが、どうせ15年程度は落選に決まっている!
それを「募集期間が短い」とか「私は経験が浅い」などと言い訳しない。
それら15年もの屈辱は、私にとって
「超有名作家に向けての有意義な前夜!」
そんなつもりの、とってもとっても前向きなお話なのでございました。
おそまつ
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