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♯2 大和 ノア side
これで何度目の初夜だろうか。
あの夜、ボクは生まれて初めて不倫をしようと後輩の和泉レイラの部屋へ向かった。
だが、虫の知らせでもあったのだろうか。
思いがけず、妻のマリアから電話があったため結局、不倫は未遂に終わった。
さらに、その夜、妻のマリアが交通事故に遭ってしまった。
幸いにも、命に関わるようなケガではなかったが、彼女は頭を強打し記憶喪失になってしまった。
正確に言うと短期記憶喪失障害と言うらしい。その日、一日しか記憶が持たない。
当然、ボクと結婚しているコトも覚えていないようだ。
なので、ボクは毎日、彼女と初夜を迎えるコトになった。
なんだか、こっちまで妙な気分だ。
一気に、テンションが高まってくる。
「ノア、私だけを愛して……」
マリアはボクに抱かれながら甘えてきた。
「うン、もちろんだよ……」
まるで新婚当時のような心地よい緊張感がボクたちを支配していた。
ゆっくりとボクはマリアの胸の膨らみに手を這わせていく。
瞬間、彼女の身体がピクッと戦慄いた。
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