♯3 大和ノアside

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♯3 大和ノアside

 あの夜……。  ボクが帰宅すると、すぐに電話があった。 「ハイ、もしもし……」  またマリアからだろうか。もう家に着いたと言うのに。  しかし家にはマリアの姿はなかった。  おかしいな。   『もしもし、大和ノアさんでしょうか』  電話のスピーカーから聞いたことのない男性の声が流れた。 「ええ、そうですけど……、どなたでしょうか?!」  ボクは(いぶか)しげに相手の名前を伺った。  テーブルには、ちゃんと夕食の支度がしてある。マリアはどこかへ出掛けたのだろうか。 『こちらは湘南警察ですが、ただ今、奥様が事故に遭われまして……』 「えェ?! マリアが事故にィ……」  どう言うコトだ。 『そうです。マリアさんは、湘南中央病院へ搬送されました!!』 「うゥ……、湘南中央病院ですね。  わかりました。すぐに行きます!!」  取り敢えず、ボクはマリアの保険証を探し出し、湘南中央病院へ向かった。  なんてことだろう。  浮気をしようとしたその夜に、妻のマリアが事故に遭うなんて。  悪いことは出来ないものだ。 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
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