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♯5 短期記憶喪失障害
まさか、そんなはずはない。
これじゃァ、まるで……。
しかし嫌な予感は的中した。
担当する医師の話では幸いにも命に関わるようなケガではないと言う。
だが、頭を強打したため事故当夜は、そのまま入院し翌日、改めて脳の精密検査をした。
けれども事態は、あまり芳しくない。
妻のマリアは事故の後遺症で、いわゆる短期記憶喪失と言う障害に苛まわれた。
個室へ通され担当医師からマリアの容態を聴いた。
「えェ……、短期記憶喪失障害ですッて?
なんなんですか。それは……」
ボクは、説明する担当医師に詰め寄った。
「ハイ、事故による記憶喪失のひとつです。
脳には異常がないのですが」
そのあと、長々と脳のメカニズムを説明されたが専門用語ばかりで、よく覚えていない。
なにしろ記憶喪失など、どこかのドラマか漫画の出来事だと思っていた。
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