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♯1 初夜から始まるラブコメディ✨👩❤️💋👨✨✨💕
《大和 望和 side》……
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
『今、どこにいるのォ……?』
不意に、マリアからの電話だ。
「えェ……?!」一瞬、ボクは応えに詰まってしまった。
どうして、バレたのだろう。
車内にはセクゾの『夏のハイドレンジア』が流れていた。爽やかな真夏のラブソングだ。
今、まさに不倫相手の和泉レイラの部屋へ行く途中だった。
「いやァ、後輩たちと飲んでて……!!
これから帰るトコロだよ!!」
嘘は苦手だ。緊張からか、声が震えている。全身から嫌な汗が滲んできた。
『マジでェ……』
なおもマリアは疑っているようだ。
「ああ、マジだよ。ウソじゃないッて!!」
根が正直者なので、ウソをつくとバレバレだ。
しかし、さすがにこれから不倫をするとは言えるはずもない。
マリアと結婚して、三年が過ぎボクたちは倦怠期に差し掛かっていた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
かすかにエアコンのモーター音が聞こえてくる。
連日、四十度に迫るほど蒸し暑い日が続く。深夜になっても外の気温は下がらない。
間違いなく今夜も熱帯夜だろう。
「はじめてだから……、優しくねェ」
ベッドへ横になったマリアが、そっと囁くようにつぶやいた。
恥じらうような顔が、なぜか愛おしく感じる。
「あァ……」ボクは、小さく頷いた。
かすかに声が掠れてしまった。
ヤケに胸がときめいてくる。
まるで新婚当時に戻ったような錯覚に陷った。
「ン……」心なしか、マリアも興奮しているようだ。熱く火照ったように頬が桜色に染まっていく。
「ンゥうゥ……」
ゆっくりと彼女の紅く艶めかしい唇へ寄せていった。
唇が触れあった瞬間、マリアの身体がわずかに戦慄いた。
これで何度目の初夜だろうか。
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