03 お尻が好きで

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「 んー!結局、支払ってもらった。ごちそう様でした! 」 「 嗚呼…、よく食うとは聞いてたが、予想以上だった 」 「 百年の恋も覚めました? 」 店の外に出て盛大に背伸びをして、満足したぐらいに食べれた事に嬉しくて、緩く笑って振り返れば、彼はカードを財布に直しては後ろから腰へと腕を回してきた 「 いや、寧ろ好印象だ。焼肉行きたいと言ったくせに、ダイエット中でーとかで、少なく食べてたなら蹴飛ばしてたけどな 」 「 流石にそれは無い!食べるの好きなので 」 「 そうか、ならいい 」 凄く自然とイチャついて来るなって位に腕を回したまま歩く彼に、軽く身を寄せては歩き、駐めてる車へと戻る 流石に焼肉の匂いが染み付いたなって思うけど、それもまた焼肉屋の醍醐味だからいいか 車に乗り、鞄の中から飴を取り出して食べれば、一つを向ける 「 飴いる?葡萄、檸檬、林檎あるよ 」 「 葡萄で 」 「 どうぞ 」 「 ありがと 」 フルーツ飴の一つを渡せば、受け取り直ぐに袋を開け口へと入れた それを横目で見て、自分も咥内で転がして入れば、彼は車のエンジンを付けたまま走らせる事なく、聞いて来た 「 何味食ってるんだ? 」 「 林檎だよ 」 「 ふーん? 」 「 っ……!? 」 ふーん、で終わらないのがこの人 急に顎を掴まれて引かれた事に驚けば、深く唇は重なり舌が入って来た 「 んっ!?ンッ…! 」 ねっとりと咥内を掻き混ぜて、擦れる舌先から葡萄特有の甘さを感じていれば、頬側に転がっていた林檎の飴は取られ、逆に葡萄が入って来た 「 まぁ、悪くないな… 」 「 っ〜! 」 口を離し、自らの咥内で林檎飴を転がしては早々に噛み砕く彼に、私は顔が熱くて仕方無い 「( 飴…一時間近くは口の中に入ってるのに… )」 飴を噛み砕くのが苦手だから、ギリギリまで溶けるまで置いておくから恥ずかしい 此れを舐めていなければいえないことに… てか、この人…すぐに噛み砕くなら、飴いらなくない!? 「( うぅ……やられた )」 絶対、今更悪魔みたいに笑ってるだろうなって思うから顔を上げれなかった   コロン、と転がす度に林檎の風味が残る咥内で葡萄が強く広がるから下手に意識してしまう 「( すげぇ、分かりやすい……可愛い )」 飴が溶ける迄は顔は見ないと決めて、外を眺めれば家へと近付く夜景を眺める 「 309号室…三階の奥だよ 」 車に残るかと思ったけど、降りてきた彼と一緒にエレベーターへと入り、階を押しては上がっていく 「 御前…。幹部だから、給料あるだろ?なんでまだ社員用マンションにいるんだ 」 「 慣れた場所だからかな…。周りの人達も知り合いだし。ほら、新しいマンションに行くと近所付き合いとか色々あるし、私…ちょっと人見知りあるので 」 よく言われていた 社長が座るオフィス机のある、フロアで働いてるのに、なんで地方から来る新社員用のマンションにずっと居るのかって… 此処は犬猫含めてペット可だし、ゴミの日も五月蝿くないし、人間関係が悪くないから気に入っていた だからついつい、長く居てしまったんだよね エレベーターの扉が開き、奥へと進めば部屋の前に立ち、鞄から玄関の鍵を出し開けては開く 「 どうぞ、散らかってますけど… 」 六年もいれば荷物も増えるもので、2DKのマンションは彼には狭く見えるだろう けれど居心地の良さはある為に、同棲するのが心寂しい 「 まぁ、人見知りなのは知っているさ。最初に社長が…父親から、俺に変わった時に唸られてるようなオーラはあったからな 」 「 唸ってますよ、今も…。でも…昨日の件も、断られた理由は納得ですし、意見を通してくれることもあるので、余り気にして…っ!! 」 部屋の奥に進めば、テーブルに置きっぱなしにしたメイク用品はまだ許せるけど、その近くにあった独り身女性あるあるのオカズを見て、サッカーのように蹴飛ばしてベッドの下へと入れた 「 御前…今何か、蹴らなかったか?バ… 」 「 なんのことでしょう!?さーて、服を纏めようかな。全て移動するまでに… 」 「 いや、この部屋は置いてろ。ハムスターと着替え程度でいい 」 「 え? 」 「 たまには息抜きする場所も必要だろ。実家みたいなものだろう? 」 地方から来た私が、中々実家に帰れないのを知ってたんだ というか…帰ったところで、両親は居ないし、祖父とは会いたくないから、此処が癒やし空間であるのには違いない 「 そうだね…なら、りょーちゃんが言うなら置いとこうかな…。家賃も給料引きだし… 」 「( それは俺が払ってやるが… )」 今までと余り変わらないならいいか、と思い旅行鞄を持ってこようと、押し入れの方へと行き、社員旅行に使った鞄を掘り出してから、タンスを開け綺麗な下着と仕事着のカッターシャツ、ストッキング等も入れていく パンパンに詰めた後に、ハムスターがいるベッドのある部屋に戻れば、彼はベッドに座り、蹴り飛ばしてたのを持っていた 「 なぁっ!? 」 「 俺のサイズでも入ったから、慣れてるのかと思ったら…。太いバイブ使ってたら入るな 」 「 っ!!それ、まだ未使用だし!入らなくて放置してたやつ! 」 買ってみたけど、目で見て無理だなって判断したから放置して、撫でるだけだったから未使用なのは変わり無い 有り得ないと手を伸ばそうとすれば、そのまま手首を掴まれ、ベッドへと押し倒される 「 っ!! 」 「 面白そうな玩具をいくつか見つけた。ペニスサックだな、これ。それもコンドーム仕様だから中出ししても平気ってわけだ…。使ってやろうか? 」 「 イボイボ付いてんじゃん!無理って…! 」 「 自分で買ったんだろう 」 「 いや、オマケとして付いてきたやつで未使用じゃん!開いてないでしょ! 」 袋から開けてないと否定しても、彼は太腿を撫で上げては、ニヤリと口角を上げた 「 余り騒ぐな。隣の奴に聞こえるぞ?そろそろ帰ってくるだろうしな 」 「 っ〜! 」 端っこと言えど、隣にはこの春から入った新社員の男性がいる 先輩である私が、声を上げてるなんて聞いたらどう思うか それこそ、朝とか顔を合わせるのに… 次に目があった時に、目線でも外されたら恥ずかしくなる うぅ、と奥歯を噛み締めて睨めばクツクツと楽しそうに笑う彼は、前の釦を片手で開き、臍から腹を撫でてはスカートを外した 「 ローションも、ローターもある。透羽…エロいな 」 「 そりゃ…。彼氏いなかった…二十四だもん…。エッチな気分にもなるよ 」 特にそこに落ちてる男性雑誌の、お尻ばっか写ってるやつとか見ると興奮しても可笑しくない ハッキリと言ってしまえば、彼は口角を上げる 「 …そうか、エロい御前も好きだから構わない 」 玩具を見ても引く事が無かったのは嬉しいけど、買って未使用なんてものは多い ほとんどローションとピンクローターぐらいしか使ったことが無いから、もう…ここは任せることにした 少し動いて、ベッドの下に手を突っ込み触れた箱を引っ張り出しては、蓋を開けて視線を外す 「 此処にあるの…全部買ったけど、勇気無くて使わなかったやつ。好きなの使っていいよ 」 「 ほぅ…?なら使うか 」 変な性癖だと思えばいい、だけど… 色々興味ある年頃なのは変わり無いんだから、もう…好きにしてほしいと思った 彼から与えれられるものは 全て気持ちいいと思うから……
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