04 同棲開始

2/5
前へ
/39ページ
次へ
名残惜しさも無いけど、最後に自分の家で其々に交代でシャワーを浴びて、荷物を纏めて社長の家に戻る 家に着いたときには…既に0時を過ぎていた ハムスターのウタはリビングの角にある、低めの本棚の上へと置き、夜だし新しい部屋だからケージに毛布を掛けてからゆっくりさせる 「 客室、使わせてください 」 「 駄目に決まってるだろ。恋人同士なんだ、一緒に寝ろ 」 恋人同士になったばかりでは、と言いたかったけれど、此処は彼の家 客室が使えないならと、諦めて寝室の角に旅行ケースを置いて、ベッドへと腰を掛ければ、上着を脱ぎ衣紋掛に掛けクローゼットへと収納した彼は、同じくベッドに座り視線を向ける 「 透羽、明日は日用品を買いに行くついでに…買い物デートをしよう 」 「 りょーちゃんって、そう言うのしないと思ってた 」 「 馬鹿言え、俺だってデートぐらいする 」 会社でのイメージは、目で熊を殺せそうなぐらい怖くて、口を開けば毒を吐きそうなコブラ状態なのに、やけに甘いと思う それが彼のギャップなのだろうけど、それが逆に疑問だ 枕元に腰を当て、広々としたベッドにつま先を擦り、膝を軽く擦り合わせていれば彼は白い脚に触れ、そっと口付けを落とす その仕草を少し冷たい視線で見ては、脚を動かし首元をつま先でなぞっては、左肩へと足を当てる 「 女に惚れない。恋人は邪魔。恋愛なんて仕事の二の次…なんて話してた貴方が…私に溺れるなんて、変だよね 」 「 否定はしない。だが、仕事に威嚇してくる時や…抱いた時に欲に素直な顔、そしてそうやって男を見下すのが似合う御前に、気になる男はいないんじゃないか…。御前こそ、フってる話をよく聞くが…? 」 足首へと手を当て、そのまま見せ付けるように歯を当て甘噛みする様子を眺めては、言われた言葉にあぁ…と小さく声を漏らす 「 タイプじゃないからフってるだけ…。私、好きなタイプの男性と付き合う為に、自分磨きを怠って無かったの…。だから、自分に甘い人って嫌い。デブで、仕事も出来ないのに女の胸ばかり見てる人とか 」 足を動かし、肩を蹴れば彼はくつりと笑い座っていた身体を此方へと近寄らせ、腰の横へと両手を置く 被さるような姿勢と膝を割り入る彼をじっと見詰めれば、彼は身体を起こし内股へと口付けを落とす 「 なら、俺は御前のタイプに合ってると事だな。身体は引き締めてるし、御前より仕事も出来る 」 「 仕事は…認めたくない 」 「 ふはっ…そんなストイックな御前だから、そそられるんだろうな 」 厳しい母親が、いい男を捕まえる条件を教えてくれた それは自分磨きを怠らず、尚且つ身体目当てで寄ってくるような奴ではなく、仕事が出来て誰からも尊敬されるような人を選びなさいって… 私は自分の好きなお尻を持ってる男性は、少なからず筋トレして、身体に関しては厳しい人だろうとは思ったから続けてただけ… いつの間にか、仕事も出来る…なんて条件が無意識に増えてたけどね 「 私のことより、社長は…りょーちゃんのタイプはどうなの? 」 「 言わなくても分かるだろ。俺は、一目見た時から、御前がドタイプだった 」 なにそれ…私が、お尻を見てる時に、 この人は顔を見てたってこと? 太腿を甘噛みする彼は、そのまま外面を手で撫で上げては、服の上から子宮辺りへと口付けを落とす この異様な甘さの原因は… 最初から、ドタイプだったって訳ね… 「 それって私が告白するの待ってたって解釈でオーケー? 」 「 …… 」 その問いの答えは、彼がもう一度下腹に口付けた事で理解した
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3340人が本棚に入れています
本棚に追加