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名残惜しさも無いけど、最後に自分の家で其々に交代でシャワーを浴びて、荷物を纏めて社長の家に戻る
家に着いたときには…既に0時を過ぎていた
ハムスターのウタはリビングの角にある、低めの本棚の上へと置き、夜だし新しい部屋だからケージに毛布を掛けてからゆっくりさせる
「 客室、使わせてください 」
「 駄目に決まってるだろ。恋人同士なんだ、一緒に寝ろ 」
恋人同士になったばかりでは、と言いたかったけれど、此処は彼の家
客室が使えないならと、諦めて寝室の角に旅行ケースを置いて、ベッドへと腰を掛ければ、上着を脱ぎ衣紋掛に掛けクローゼットへと収納した彼は、同じくベッドに座り視線を向ける
「 透羽、明日は日用品を買いに行くついでに…買い物デートをしよう 」
「 りょーちゃんって、そう言うのしないと思ってた 」
「 馬鹿言え、俺だってデートぐらいする 」
会社でのイメージは、目で熊を殺せそうなぐらい怖くて、口を開けば毒を吐きそうなコブラ状態なのに、やけに甘いと思う
それが彼のギャップなのだろうけど、それが逆に疑問だ
枕元に腰を当て、広々としたベッドにつま先を擦り、膝を軽く擦り合わせていれば彼は白い脚に触れ、そっと口付けを落とす
その仕草を少し冷たい視線で見ては、脚を動かし首元をつま先でなぞっては、左肩へと足を当てる
「 女に惚れない。恋人は邪魔。恋愛なんて仕事の二の次…なんて話してた貴方が…私に溺れるなんて、変だよね 」
「 否定はしない。だが、仕事に威嚇してくる時や…抱いた時に欲に素直な顔、そしてそうやって男を見下すのが似合う御前に、気になる男はいないんじゃないか…。御前こそ、フってる話をよく聞くが…? 」
足首へと手を当て、そのまま見せ付けるように歯を当て甘噛みする様子を眺めては、言われた言葉にあぁ…と小さく声を漏らす
「 タイプじゃないからフってるだけ…。私、好きなタイプの男性と付き合う為に、自分磨きを怠って無かったの…。だから、自分に甘い人って嫌い。デブで、仕事も出来ないのに女の胸ばかり見てる人とか 」
足を動かし、肩を蹴れば彼はくつりと笑い座っていた身体を此方へと近寄らせ、腰の横へと両手を置く
被さるような姿勢と膝を割り入る彼をじっと見詰めれば、彼は身体を起こし内股へと口付けを落とす
「 なら、俺は御前のタイプに合ってると事だな。身体は引き締めてるし、御前より仕事も出来る 」
「 仕事は…認めたくない 」
「 ふはっ…そんなストイックな御前だから、そそられるんだろうな 」
厳しい母親が、いい男を捕まえる条件を教えてくれた
それは自分磨きを怠らず、尚且つ身体目当てで寄ってくるような奴ではなく、仕事が出来て誰からも尊敬されるような人を選びなさいって…
私は自分の好きなお尻を持ってる男性は、少なからず筋トレして、身体に関しては厳しい人だろうとは思ったから続けてただけ…
いつの間にか、仕事も出来る…なんて条件が無意識に増えてたけどね
「 私のことより、社長は…りょーちゃんのタイプはどうなの? 」
「 言わなくても分かるだろ。俺は、一目見た時から、御前がドタイプだった 」
なにそれ…私が、お尻を見てる時に、
この人は顔を見てたってこと?
太腿を甘噛みする彼は、そのまま外面を手で撫で上げては、服の上から子宮辺りへと口付けを落とす
この異様な甘さの原因は…
最初から、ドタイプだったって訳ね…
「 それって私が告白するの待ってたって解釈でオーケー? 」
「 …… 」
その問いの答えは、彼がもう一度下腹に口付けた事で理解した
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