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01 お尻フェチ極まって
「 愚問だな。自営業如きに此方が手を貸すと思うか?いつ倒産するかも分からねぇ場所に。分かったならさっさと…断ってこい! 」
「 はいっ!! 」
私が六年勤めてる此処は、日本の将来の成長を担う自動車、ハイテク、金融、医薬品といった産業を中心に、グローバル体制を反映したプロジェクトチームによって、
戦略立案やサプライチェーンマネジメントなどに幅広い知見を提供する、戦略系コンサルティング会社になる
先程の断られた場所みたいに、個人事業によって、一代目で経営を始めた病院とか有るんだけど…
この会社の代表取締役である夕凪 遼は、祖父の世代からここにいるらしく、彼もまた三十五歳と言う若さで、成績を上げてるが、問題がある
相手の年齢、実績、経済力を考えて、相談を受ける前に断る事が多い
其の結果、この会社が手を貸すのは大手の名のある企業ばかりになって、戦略も何も無くなる
なんせ、新しいアイディアは向こうから提案される為に、其れが結果が出せそうか、そうでもないかを事前に調べる程度で在り来りになってきてるからね
「 夕凪社長 」
「 なんだ? 」
すっと立ち上がって、彼の元に行けば終わった書類をオフィス机に置いては、軽く睨んで告げる
「 失礼ですが、幾ら信頼を置ける我社だとしても、此れからの未来へと芽吹く芽を摘むのは如何なものでしょうか? 」
「 は? 」
「 でた…マングースとコブラの睨み合い 」
「 最早、龍と虎… 」
入社してまだ六年だが、二年前にひょこっとやって来て、社長になった彼よりは実績も経験もある
その為に良く口を挟む為に、社内では龍と虎やら、マングースとコブラなんて言われていた
まぁ、彼も遼と龍が少し発音似てるってのもあるかも知れないが…
今はそんな事は如何でもいい
「 先程の、個人病院を為さる院長には二人の息子さんがいます。一人は高校二年生、もう一人は中学三年生です。此れから父の跡を継いで医者になるかも知れないのに、此方が支援しなければ、その未来も無くなります 」
「 いけ、透羽さん! 」
なんの因果かは知らないけど、私は朝陽 透羽って名前をしてる
夕凪と朝陽、似てるからこそ尚更、御互いに睨み合って此処二年過ごして来た為に、
この人には負けたくないって意思があり、事前に調べた情報を頼りに言えば、彼は悪魔の様に口角を上げた
「 ゙ かも知れない ゙? 」
「 っ…… 」
痛い所を付いた一言にグッと奥歯を噛み締めれば、彼はその目だけで熊でも殺しそうな程に睨み、此方へと視線を向けた
刺さるような鋭い瞳孔に一歩引きたくなるが、グッと耐えては言葉を聞く
「 良くもまぁ、そんな曖昧な情報で口を突っ込んで来れたな?その長男が行ってる高校はビジネス専門で専攻はパティシエだぞ。俺はどう考えても医者になる様子はねぇと思うがな? 」
「 医大に行く…かも、知れませんよ 」
「 だからそのかもってなんだ、御前は鴨か?アヒルか?そのクルミのおつむには脳ミソは入ってないのか?良いか、確信がある場合以外は指図するな。後、このグラフは間違ってるから早急に直せ 」
「 っ!!! 」
其処まで言う!?って位に鋭い弾丸で心のガラスを突き破っていく感覚に指を差された書類を持ち直せば、自分のオフィス机へと戻れば、彼は席を立つ
「 少し、飲み物買ってくる… 」
さっさと行け!と心の中で思っては、グラフを見直して自分のやったやつじゃないことに尚更、胸が痛む
「 うぁぁぁん……!ほんとに、鬼だ!悪魔だ!! 」
「 よしよし 」
その夜、呑んでないとやってられないと仲のいい同僚と二年上の先輩と一緒に居酒屋へとやって来た
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