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【温羅】は蹈鞴を踏みながら後退し、刀太は勢いに逆らうことなく後方へと飛んだ。
両者ダメージはない。
が、力の差は歴然としている。
「荊嬢、逃げなさい」
「だな。援軍を呼んできてくれや」
ニッと笑いながら二人は言う。
残骸から顔を出しながら、彼女はその表情を見た。
明るい顔だった。
何かを覚悟した表情……そう読み取れる。
その先に待つモノは?
待つモノ?
……
死?
「いや、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
そのときだった。
耳鳴りがした。
そして世界は暗転した。
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