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あれから俺は着々とランクを上げて、今ではAランクである。
まぁ、未だにEランクとかのクエスト受けてるけど。
いや、だってさ?だってだよ?上に行けば行く程採取クエないんだよ!!!解せぬ……もっと良さそうなの出てくんのかと思ったのに!!
「おっちゃん、何かいい採取クエは無いもんですかね」
そして、おっちゃんと打ち解けた。
おっちゃんは俺が話しかけてほしくない時は本当に必要な事だけしか話しかけて来ないし、中々いい話し相手である。
「まぁ、此処は辺境の村のギルドだからな。
街に行けば多分もっとあるだろうな。
それか、アレだ。お前が試験受けりゃあ受けられる依頼も増えるぞ」
「いや、それは遠慮します」
だってさー、そんなの絶対目立つじゃーん、無理無理。
この辺境のギルドでもたまに人多くて吐きそうなるのに。
俺が行く時間帯大抵おっちゃんだけだからね。本当に此処最高!コミュ症引きニートにオススメギルドだぜ!
「そういえば、お前人多いの無理だったな」
「無理。この村の道歩くだけで既に気持ち悪い。街なんて言ったらゲロロード出来るよ。」
「お前が言う事はたまによく分からん。
まぁ、それなら此処から山を3つ越えた所にギルドがあるんだがな
そこでお前が好きそうな採取依頼が来たそうだ。」
「俺が好きそうな?」
「報酬もうまくないし、結構危険な場所にあるんでボードに埋まっとるらしい。
この前飲んだ時にボヤいとってな、お前ん所はどうなんだと言われたから
今は採取依頼が一個もないって言ってやったわ!!」
ガハハハと笑うおっちゃん。いや、待て、それ全部やってんの俺な?
「まぁ、お前が暇なら行ってやってくれ
そこも此処と人の動きは変わらんからお前でも大丈夫だろ」
「ふーん。因みに依頼ってどんなのかーとか分かる?」
「確か、帰らずの森にある雛景色の採取だった筈だ。Aランクの依頼だった筈だからお前でも受けられるぞ。どうせ此処はそろそろ採取依頼が無くなる頃合いだ。いい機会じゃねぇか?」
「ふむふむ、ちょっと行ってくるー!あ…あっちでもギルド登録しなきゃいけない?」
「あ?お前知らねぇのか?ギルドカードは、何処でも共通だから1回登録しちまえばそれで終わりだぞ?」
「なるほど!それじゃあ今度こそ行ってくるー」
おっちゃんに手を振って俺はまず……………家に帰った。
いや、ほら、ね?準備とかあるし?うんうん。
おっちゃんと話して満足したとかじゃないから、うん
「すー君ただいまー!そういえば、お前らに色つけられるかもだぞー」
ウリウリとスライムに頬ずりをしてムニムニする。
なんかさ、何か食わしたら色変わりそうで怖いからずっと魔力だけ上げてたんだけど、コイツラの艶と触り心地がどんどん良くなるんだが??
これは俺の魔力のせいなのかな?まぁ、最近枕と抱き枕として大活躍してるからいいんだけど。
「ご主人!オカエリ!どこ行く?」
「帰らずの森ー。名前からして危ないよなぁ
あ、その前にギルドか。えーと山3つ越えた所にあるギルドはっと……」
あぁ、ここか。うん、此処なら行けるかも。
写真のさびれた感じがおっちゃんの所と似てる。
場所は分かったし……
「お前達!行くから小さく纏まって」
そう、このスライム君達纏まる事が出来るんです!
しかも大きさ自在。なんて便利なことか。
手乗りサイズになったスライム君を帽子の中に入れて俺は転移した。
「フッフッフ……今回の俺に抜かりはない」
前回は村の方に出たから、俺は吐き気と戦う羽目になった。
今回はちゃんと事前に近くの路地を探しておいたからな
ギルドの中に入ると見覚えのあるおっちゃんが居た。
あれ?おっちゃん?なんでここに居るんだ?え?俺入るギルド間違えてないよな?え?名前合ってる。ん??
俺の知るおっちゃんそっくりのおっさんが居て、戸惑いながらもボードに行くと討伐クエストの下に沢山の採取クエストが残っていた。
お、どれもまだ未収穫のだ。ラッキー。
取り敢えず帰らずの森とその周辺のクエストをゴソっと持っておっさんの所へ行った。
「ねぇ、おっさん、探し人の童子に居る受付のおっちゃんと双子?それともそっくりさん?」
おっさんがクエストを処理してる間に、気になり過ぎて聞いてしまった。
「ん?あぁ、お前さんダグの事知ってるのか
ダグは俺の双子の兄ちゃんだ。ほい、これリストな」
「おぉー、だから飲んでた時に聞いたって事か、ふむふむ」
ん?というか、俺おっちゃんの名前初めて知ったわ。ダグっていうのか
「ん?お前もしかしてダグが言うとったシンか?」
「ん?多分?え?わからない。」
「採取依頼ばっか受ける変わり者って聞いとったけど、ほんまに採取依頼しか受けへんのやな」
「え、だって今は採取優先だから。ついでに受けられるのなら受けるけど………んー、肉とか腐らせるし………必要かと言われると……んー…」
魔法使えばいいじゃんと思うかもしれないが、そこまでする?って思っちゃうんだよなぁ
「ダグの言っとった通り変わり者やな。普通は報酬が多い討伐に皆行くんに。まぁ、俺としては採取依頼が消化されるんは嬉しいけ、えぇんやけどな。」
「変わり者……なのかね?分からんけど
取り敢えず採ったら持ってくるー、おっさんバイバーイ」
えー…帰らずの森か。
転移するといかにもおどろおどろしい森が目の前にあった。
これアレだわ、ラスボス手前に来る様な感じだわ。急に敵のレベル強くなる奴じゃん
「まぁ、行くかー」
行かなきゃ何も分からん!スライム君たちを元のサイズに戻して森の中へと入った
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