序章

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序章

拝啓 紫陽花が美しい季節となりました。 このたびは、いきなりこのような手紙を送る失礼をお詫び申し上げます。 私は、某編集社に勤める者でございます。 今回は作家でいらっしゃるお宅のご主人、煎田清一様に是非とも目を通して頂きたいものがあり、このような手紙を送った次第です。現物は、この手紙に同封してありますので、どうかご一読ください。それらは全て原稿用紙ですが、私が独自に蒐集をしたものであります。 ですが、こちらの都合上、それらを何処から集めてきたのか、ということについては伏せさせて頂きます。 無礼な手紙だと承知しておりますが、どうかよろしくお願い致します。 敬具
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