新しい家族

1/1
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ

新しい家族

私は牢屋の中で 「ワンワン……ワンワン……」ずっと涙を流して 泣いていた。 そんな時、さっき牢屋の前にいて泣いていた男の人がどこかの家族らしい人を連れて来た。 男の人は私を見て笑っていた。 「どうですか?かわいいでしょう?まだ子犬ですよ。白い毛もふさふさしてる。まだ人間を恐れていない子犬だから育て易いと思いますよ」 男の人は牢屋の前で私を見ながら女の子と女の子のお父さんとお母さんらしい人に言った。 幼い女の子は綺麗な洋服を着ている。 その子のお父さんとお母さんのような人も 立派な服を着ている。 女の子は私を見てこう言った。 「可愛い。白い色が綺麗私この子にする抱っこ させて」男の人は牢屋の鍵を開けて私を連れ出した。 「はいお嬢ちゃん」 泥がついているのに女の子は私の泥で綺麗な洋服が汚れるのにそんな事など気にせず私を抱いて 喜んでいた。そして私にこう言った。 「宜しくねポチあなたの名前は今日からポチよ」 その子のお父さんとお母さんらしき人も私に言った 「うちの子になってくれる?」 私は嬉しくて 「ワンワン……」そう言って尻尾を振っていた。 「そうなの?いいのね?じゃあ決まりね。 あなた 雪」 幼い子は雪ちゃんて言う名前らしい。 私はどうやら雪ちゃんの家族に気に入られたらしい この時から、私に新しい家族が出来た。 男の人はその家族に言った。 「じゃあ飼ってくれるんですね。 よかった。うちはアパートで動物は飼えなくて 困っていたんです。こんな子犬が殺されるのは 見たくない。最後まで大切に可愛がってあげて ください。決して捨てないでください。 家族ですから大切にしてあげてください」 男の人はその家族に何度も頭を下げて頼んでいた。 「では、こちらで手続きをして捺印を押して、 ドッグフードを差し上げます。近くに動物病院がありますのでそちらで病気がないか?診察を受けて お帰りください。」 男の人は雪ちゃんの家族にそう言った。 牢屋が続いている廊下を過ぎると出口があった。 牢屋にはたくさんの犬が「クゥーン」「クゥーン」 と言って泣きながら私の事を羨ましそうな顔をして 見ていた。 出口に着くと男の人は言った。 「よかったなポチ、君は本当に運がいい 私も助けた甲斐があったよ道に倒れていたところを偶然私が見つけて保護したんだよ。 傷 治ってよかったよ。 じゃあな ポチ元気でな。 ポチを大切に お願いします」そう言って男の人は牢屋の所に 戻って行った。 私はありがとうと言いたくて 「ワンワン……」と吠えていた。 私は念のため近くの病院で診察を受け新しい家族の車で新しい家に向かった。 新しい家族は車の中でも 「本当に可愛いわね。うちの子が一番可愛いわよ」 そう言ってあ母さんと雪ちゃんに頭をなでなで されていた。 私は嬉しくてまた 「ワンワン……」と言って尻尾を振った。 車が止まった。家に着いたようだ。 私は新しい家族と大きな芝生の庭と大きなお城みたいな家に住む事になった。 「ワンワン……ワンワン……」これが今日から 私が住む家?大きすぎる。 「ワンワン……」「ワンワン……」 「喜んでいるようだねポチさあ中に入りましょう。これがポチの部屋よ」 私は家の中にあるエレベーターで二階に行き。 そこの一つの部屋を与えられた。 結構大きな部屋だった。雪ちゃんは言った。 「今日からここがポチの部屋だよ。 これだけ広ければこの部屋だけで走り回れるからね。ほら犬用のおもちゃもたくさんあるからね」 そう言って雪ちゃんは温かく迎えてくれた。 「明日からはペットの散歩用の使用人を雇ったからその使用人がポチを大切に散歩させてくれると 思うわ」雪ちゃんのお母さんはそう話してくれた。 「私の名前はポチ?どこかで聞いたような気がする。懐かしい名前?いったいどこで聞いたんだっけ?」 これから私は新しい優しい家族との生活が始まる。 ポチは 嬉しくて仕方がなかった。 「ワンワン……」「ワンワン……」私は与えられた。自分の部屋を走り回っていた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!