次の日

1/1
前へ
/41ページ
次へ

次の日

私は「ポチ」は朝早く散歩用に雇ったと言っていた 使用人の人と散歩をする事になった。 「じゃあ、ポチを宜しくお願いしますね。 私達の大切な家族なんだからそこにあるポチ用の おもちゃも持って行ってたっぷり遊ばせて頂戴ね。遊ばせた後はこのペットフードと水をあげてくださいね。 私と主人は仕事に行きますので契約通り夕方五時の散歩もお願いしますね朝の散歩は一時間きちんとしてくださいね。 散歩から帰った後は外のポチ用の洗い場で足と手を良く洗って玄関にあるタオルで良く拭いて中に 入ってくださいね。霧島さんが散歩から帰る頃 霧島さんの事を木本さんと言う使用人さんが 霧島さんを待っていますからね。 その木本さんとポチの部屋に行ってポチに水とご飯をあげてたら朝の散歩のお仕事は終わりです。 夕方17時に来て朝と同じ一時間の散歩をして帰って来てからも全く同じようにポチの手足を外の洗い場で洗ってタオルで拭いて二階に上がってご飯をあげてくださいね。 タオルは木本さんが渡してくれますからね。 給料は毎月30日の夕方の散歩から帰って来た時でいいかしら?」 霧島は 「はい、奥様わかりました。しっかり散歩させていただきます。じゃあ行こうか?ポチ」 その時 「ポチ~散歩楽しんでね。私これから幼稚園の慣らし保育にお守りシッターさんと行かなければ ならないんだ~朝ごはん食べたら私も出掛けるんだ~帰ったら遊ぼうね」 私「ポチ」は嬉しくて尻尾を振った。 そして雪ちゃんのお父さんも玄関まで来た 「ポチパパも会社なんだよ。休みの日は絶対に遊んであげるからね」 「ママも会社に行ってくるからね~」 私は幸せだな~こんな家族に愛されて本当にここに来てよかった。 ポチは幸せだった。 嬉しくてまた 「ワンワン……」「ワンワン……」そう言って尻尾を振っていた。 私は霧島さんに連れられて散歩に出掛けた。 霧島さんも犬好きらしく私にいろいろ話しかけてきた。 「横断歩道だ、止まれ」「ふせ」「お手」なども 教えてくれた。大きな公園で遊んだ後 霧島さんは 「ポチこの先に土手があるんだよそこで思いっきりこのボールで遊ぼうか?」 私は人間の言葉は良くわからないけど優しい笑顔からなんとなく理解が出来た。 霧島さんと私は土手に向かった。 数分で土手に着いた。 「ここは~。この土手に間違いない。 少しだけ残っている前世の記憶~私はあの時 何をしてたんだろう?あの時と同じ場所に車が止まっている。深夜に土手に来る用事ってなんだったのだろう? そして 家族で何かを確かにしていた。 家族四人は笑いながら車に乗った。 ここの近くに住んでいたのかもしれない?」 私は車をじっと見ていた。 「ポチ?なんだ車が好きなのか?女の子なのに珍しいな?犬は違うのか?あの車の側に行ってみるか?」 私は 「ワンワン……」そう言って尻尾を振った。 車の側に来ると「ワンワン……」「ワンワン……」 なんとなく私は嬉しい気持ちになった。 「もう少しで思い出しそうな気がする~。 私は車に乗るのが好きだったんだ。 でも、なんだか寂しい気持ちにもなる。 どうしてなんだろう?」 その時、霧島さんは 「ほらポチこのボール取って来い」 そう言っているような感じがしたので ポチはボールを取りに向かった。 そして口にボールを加えて霧島さんの元に戻った。 「さあ、そろそろ帰ろうか」 霧島さんに言われて私は自宅に戻った。 雪ちゃんのお母さんが言ったように霧島さんは 私の手足を洗ってくれて木本さんと一緒に二階の部屋に行って水とご飯を食べさせてくれた。 そして私はふかふかなベットで眠りについた。 夢の中でも私は前世の記憶の夢を見ている。 土手に深夜みんなで車で出掛けた。 私達は何かを土手に置いた。段ボール? 何で段ボールを捨てて帰るの? 何で笑っているんだろう? ポチはそこで目が覚めた。 高校生の緑山緑は確かに段ボールを捨てて笑いながら車に乗り込んだ。前世の記憶はいつも土手の部分しか覚えていない。なんか思い出さなくてはいけないそんな感じがポチはしていた。 雪ちゃんが帰ってくると私は自分の部屋で雪ちゃんと遊んだ。 夕方になるとまた霧島さんと散歩に出掛けた。 そして一時間の散歩が終わって自宅に帰り ご飯と水を私に与えてくれた。そして、霧島さんの今日のお仕事は終わった。 「お疲れ様」雪ちゃんのお母さんの声の後 「楽しかったです」霧島さんはそう言って。 自分の家に帰って行った。 今度は雪ちゃんのお母さんが私をお風呂に入れてくれた。 「さっぱりしたわねポチ私の名前は雪の母親で 夏子って言うのよ。宜しくね。お風呂も使用人に 任せてもいいんどけど、ポチとふれあう時間も 大切にしたいからね。できるだけ私か夫がお風呂に入れてあげるわね。夫の名前は冬男って言うのよ みんな季節に関係があるの変わってるでしょう。」 そう言って雪ちゃんのお母さんは言った。 「そう言えば、緑山緑だった前世の時代私の家族も似たような事を言っていた。そうだ思い出した。 私の前世のお母さんの名前は緑山紅葉だった。 季節に関係がある名前で面白いわよね。 そう言ってた。 それに前世のお父さんの名前は緑山高尾だった。 前世のお母さんは言っていた。 お父さんの名前の高尾は高尾山からつけたらしいのよ。高尾山ていうのはね ……。そんな話をよくしてくれてたな…… きっと前世でも私は幸せだったんだな~。 今度生まれ変わってもこんな家族の中で幸せで いられるといいな~」 ポチはそんな事を考えていた。 でも、ポチは一つだけ気にしている事があった。 なんだか心の奥に悲しさと悔しさが入り交じった 感情がある ポチはまだそれがなんなのか?わからなかった。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加