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商店街
朝早く次の日も霧島さんは来てくれた。
私は嬉しくて「ワンワン……」「ワンワン……」そう叫んで尻尾を振っていた。
霧島さんは言った。
「じゃあ奥様行って参ります」
お父さんもお母さんも
「ポチ、ちゃんと霧島さんの言う事を聞くのよ」
「パパも仕事に行ってくるからね」
私はこんなにも家族に愛されている事がよくわかってますます嬉しくなった。
「ワンワン……」「ワンワン……」そう言って私は
また尻尾を振った。
玄関を出ると霧島さんは言った。
「なあ、ポチ今日は面白いところに連れて行ってあげるよ。裏道の商店街なんだ。たくさん人が歩いているよ。その先には面白いところがあるからね」
霧島さんは優しく私に話し掛けた。
「ポチここから15分ぐらいかかるけど大丈夫か?」
私は「ワンワン……」「ワンワン……」
そう言って尻尾を振った。
歩きながら私に霧島さんは話しかけてくれた。
「犬好きだったけど、ずっとアパート暮しで飼えなかった事。今もアパート暮らしだと言う事
休みの日の趣味の事たくさん話してくれた」
そして、歩いて15分くらい?たった頃人が行き交う大きな商店街に出た。
その商店街の入口についた時
私は思った。
「この商店街来た事がある。毎日来ていた……」
私はしゃがみこんでしまった。
「どうした?ポチさあ行くぞ❗この先にはもっと面白いものがあるんだから」
なんとなく懐かしい気がしていた。私はこの商店街の人に可愛がられていたんだ。
「さあ行くぞポチ」
霧島さんの掛け声で私は商店街に進んで行く……。
気のせいだろうか?みんなが私を見ている気がする?
そして、こそこそ話している?
何故みんな見ているんだろう?私を知っているのかな?
その時、肉屋のおばさんが話しかけてきた。
私も知っているような気がした。
前世私はこの商店街に毎日来ていた。
そしてこの近くに住んでいた。たぶん間違いない
その肉屋さんは私に言った。
「緑山さんの家の犬にそっくり」だと言うことを……。
隣の八百屋さんも言った。
「緑山さんのところの犬にそっくり」
私のまわりにはあっという間にみんなが集まってきた。
私は前世の記憶の一部を商店街の人達から聞いてわかる事になる。
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