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「あ、ちなみに俺幹事だからさ、誰が来るとか知ってるんだけど……」 「お前、幹事だったのか……なんか、ぽいわ」  俺は海音を見ると、あまりに幹事という役職がピッタリ過ぎて笑いそうになる。 「いやぁ、やりたくなかったんだけどね? やれって言われて、断れなくって。まぁ、久しぶりに皆に連絡取れたのは嬉しかったし、いっかなぁって」  俺は「あーそ」と興味なさげに言うと、「聞いてきたのに、何だその態度」と笑いながら海音が腰に手を回してうりうりしてきた。俺は鬱陶しそうに「やめろって」と言うも、楽しそうに笑いながら海音はその動きを止めない。  数秒置いてから海音が離れると、俺はホッと息を漏らす。それからまた歩きだすと、会場となるホテルを目視できる距離にまでやって来た。 「でさ、今日来る奴にがいるんだよね」 「佐藤? そんなの同級生にいっぱいいただろ。どの佐藤だよ」 「お前、それまじで言ってる?」  俺はきょとんとなると、海音が長い溜息を吐いた。腰に手を置き、やれやれというポーズを取っている。 「佐藤(さとう)千夏(ちなつ)。お前のだよ」  俺は足を止めると、一歩先で海音が足を止めた。海音は思春期真っただ中の男子中学生のようにニヤニヤした顔で、楽しそうにこちらを見ている。人の恋バナを美味しく思っている奴の顔だ。 「気まずい?」  海音は楽しそうにそんな質問を聞いてくると、俺は「やめろ、その顔」と言って背中を思いっきり叩く。痛そうな声と共に海音が背中を抑えるも、構わずに俺は先にホテルの中に入る。 「待ってよ、冬弥くーん」
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