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 やって来た同級生たちは、皆やはり高校の時とは雰囲気が変わっていた。あんなにバカやってた男子が、清潔感漂う男になっていたり。学級委員長を務めていた堅物女子が、垢抜けていたり。結婚している奴もいれば、もう既に子供までいる奴もいた。やっぱり、時間というのは人を変える力がある。 「いやー、ビックリだな。まさかあの髙橋(たかはし)が今や外資系企業のエースだとよ」  さっきまで同級生たちに捕まっていた海音は受付に戻ってくるとへらへらしながらそんなことを言った。俺は髙橋と言われて同級生を思い出すが、髙橋を苗字に持った同級生が多く、誰のことを言っているのかが分からない。 「髙橋ってどの髙橋だよ。いっぱいいるっつうの」 「髙橋だよ。ほら、学年最下位だった」 「……は? まじで言ってる?」 「まじまじ。ほんと、人生って何があるか分かんないよなぁ」  しみじみするように海音が隣に座ると、俺は未だに驚きを隠せず「まじか……」と小声で漏らしていた。  時計を見ると、そろそろ同窓会が始まろうとしていた。参加者一覧の名簿を見ると、黄色い蛍光ペンが引かれていない人物を発見する。俺は名前を見て固まると、異変を感じ取った海音が名簿を覗き込んだ。 「あらら、君の元カノはまだ来てないみたいだね。ドタキャンの連絡は来てないんだけどなぁ……」  スマホのメッセージを確認しながら海音が言った。俺は「あーそ」と言うと、忙しくて忘れかけていた千夏の存在に、急にそわそわし始める。千夏とは、高校卒業後は連絡を一切取り合っていない。だから今日は7年ぶりの再会となる。  周りが変わっている姿を見ると、やっぱり千夏も変わっていたりするのだろうかと考えてしまう。大人になった千夏は今、どんな姿をしているのだろうか。 「何やらしいこと妄想してんの?」  耳元で海音が言うと、俺は「は?」と低い声で海音を睨みつける。 「してないから」 「いや、確実にしてたね。どうせ、佐藤のこと考えてたんだろ? 大人になった佐藤は、今どうなってるんだろう……的な」
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