にぶんのいち夫婦特別編 樋口編原作

13/27
前へ
/27ページ
次へ
********* 家に帰って、引っ越しのための荷物をまとめているとインターフォンが鳴った。 画面越しでも圧強めの存在にため息をつく。 ドアを開けると仕事の途中なのかスーツ姿の母が、 「お邪魔するわよ」 とズカズカ上がり込んできた。 「あら、なんにもないじゃない。食事はどうしているの」 ミネラルウォーターしか入っていない空っぽの冷蔵庫を勝手に開けている母の後ろから部屋に入る。 「ほとんど外食で済ませているから」 言いながら冷蔵庫を閉めると、母はため息をついて部屋を見回した。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1075人が本棚に入れています
本棚に追加