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「……」
「あなたを犠牲にし続けたこと、ずっと謝りたかった。だから私もお父さんもなんでもいいから頼って欲しいって思っているの。何にもしてあげられないままじゃ後悔しか残らないから」
冷たくなったミューの体を抱きしめ何も出来なかった自分を責めた日の記憶がよみがえって。
小さく息を吐いた。
謝ることや許すことはものすごくエネルギーがいる行為だ。
自分の心に向き合い、根をはったように揺るがない固定観念を変えていかなきゃいけないくらいに。
文さんは中山さんを許した。
俺はそれを後押しはしたけれど。
元来、自分の感情を閉じ込めがちだった彼女が全てをさらけ出して彼と向き合えたのは、彼女から生まれた勇気と強さがあったからだ。
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