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夢の途中で目を開くと、そこは少し騒がしいコールセンターの休憩室だった。
備え付けのマッサージチェアにのったままうたた寝していたらしい。
ちょうど椅子の動きが止まったから、眠っていたのは15分程度だろう。
まだ夢の中にいるような気だるさに動けないでいると、見慣れた丸い目が俺をのぞき込んできた。
「樋口くん、そろそろ休憩終わりだよ」
「……」
思わぬ近さに、体が固まる。
10歳も年上の人妻のくせに相変わらず無防備だなと思う。
腕を伸ばせば、引き寄せてキスだって出来る距離なのに。
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