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「以前から悩んではいたんですが。やっぱり留学してロースクールに進もうかなって」
ちょっと固めの肉にナイフを通す。
旨くはないが不味くもない。ファミレスなら合格点ではあるけれど。
「それで国内じゃなくアメリカで弁護士資格かよ?しかも内定もらった優良企業を蹴ってだろ?お前マジで嫌味なヤツだな!」
前のめりで話す高梨克己の口から飛んできた米粒を避ける。
一緒に飯を食っていてこんなに危険を感じる人物に会ったのは初めてだ。
「でも、やっぱあれか。文さんに振られたのが後押しになったのか?まあいいきっかけだったな!」
そしてこれだけデリカシーのない人間に会ったのも初めてだ。
よくこれで営業なんかやってられるな。
立川さとみも大概だし。
あの会社、本当に大丈夫だろうか。
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