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ベイサイドにある巨大スタジアムでは、数十万人の観衆がペンライトを振りながら、スターの登場を待ち構えていた。
「みんな、昨日はお疲れ様。今日はライブツアー最終日、全力で演奏してね」
「はい!」
モカマネージャーから激励があると、メンバー全員は元気良く返事をした。
「リコ……腕の調子はどう?」
「大丈夫です、緊急修理で問題なく可動します」
リコは左腕を上下に動かしてみせた。
「今夜はウーミ女王も観覧にお越しだから、最高のステージを見せてちょうだい」
テレビモニターの中継画面には手を振る女王の姿があった。
「ウミリア王国の王にして世界最高峰の科学者。大事に至らなくてよかった」ユヅが呟いた。
「女王陛下はなぜ私達孤児を受け入れてくれたのかしら?」トコがモカに問いかける。
「そうねえ、彼女は自らが発明したハイパーインダストリーが戦争に利用されてしまったことを憂えていたわ。悪夢を見ない日がなかったほどに。戦争で犠牲になった人々への罪滅ぼしのために尽くしているのだと思う」
モカが女王の心中を探るように代弁した。
「戦争が起きたのは彼女の責任じゃない、それを止めることができなかった一人一人の意識の問題」ハナビは悔しそうに拳を握った。
「だから悪だくみする奴らは私達が懲らしめてやらないとね!」ポポが元気よく握り拳を前に出した。
「そう、ここは私達の愛する故郷。この国の平和を乱すことは許さない……私が絶対守ってみせる」
リコはテレビに映る女王の笑顔を見つめながら、決意を新たにした。
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