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「……ネオ、やっぱりあなただったのね」
「久しぶりだな、リコ。助けてやった恩を忘れたのか?」
「あなたに感謝はしているわ。戦時中、半死状態の私を助けてくれた。でもあなたの思い通りにはさせない。ここは私の第二の故郷」
「ふん、お前は何もわかっていない。すべての元凶がここにあることを」
「私はここでバンドボーカルとして新たな人生を送っている。この平和な世界を乱すことは許さない」
「半サイボーグのお前がボーカルだと? 笑わせるな、その声帯も人工じゃないか。作り物の声を聴かせて、どうするつもりだ?」
「歌は魂の叫びを伝えるもの。どんな声であったとしても、それはきっとみんなの心に届くはず」
「お前のその体も、大戦で使用された兵器も、すべてこの国のハイパーインダストリーから創られたものだ。俺達の国もその兵器によって滅ぼされた……。だったらこんな国ないほうが平和への早道だと思わないか? 敗戦国の人間は働くことすらできない。奪い合いで生きていくしか道がなくなっている」
「それは違う、この国の産業は人々の生活を豊かにするためにあるもの。悪用しようとする人間側の問題よ」
「……もう一度、俺と組まないか? お前の秘匿された戦闘能力を利用すれば、世界最強の軍事シンジケートを組織することもできる」
「お断りよ、それより投降しなさい。ここまで鍛えてくれた恩もあるし、命までは取らないわ」
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