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私の決戦前夜
私の名前はルーネ。
数年前まで姫騎士を生業とし、隣国と戦争をしていました。
が、役目を終えた忌み子たる私は王家から追放。
なんだかんだあり、生涯を共にしたいと思える男性、ルシアさんと出会ったのです。
そんな彼と過ごすようになったある日の事。
唐突にチャンスがやってきました。
「おーい、二人ともー。 勇者ちゃんのお母さんの所に私とエリンちゃんで泊まりに行くって、この間約束したから明日泊まってくるねー」
「ねー」
これはなんという好機でしょう。
もしや、関係を進められない私とルシアさんを想った神様からのプレゼントでしょうか。
既成事実を作りなさいという。
「ーーーーはあ? マジで? 冗談だろ?」
おっと、やはりルシアさんは断りますね。
おや、なんですか、その獣を見るような目は。
興奮しますよ?
「おい、ふざけんな! この変態と一晩二人きりとか嫌だぞ、俺は!」
…………いけませんね、これは。
このままだとホノカさんとエリンさんがお泊まりにいけません。
それはつまるところ、明日夜這いをかけられないという事に!
私にとってその展開はよろしくありません。
「だから行くな! 頼む! お願いしま……」
なので私は、咄嗟に笑顔で。
「どうぞ、お二人とも。 存分に楽しんできてくださいね」
「はーい、ルーネちんもがんば!」
「…………おー?」
「おいぃぃいいい! ふっざけんなよぉぉぉおっ!」
これで明日の夜はルシアさんと二人っきり!
だとすれば今日のうちに色々仕込まねば!
忙しくなりますね、色んな意味で!
同日の深夜。
決戦前夜となる今日のうちに用意しておくべき物があります。
それもルシアさんが寝静まってから。
というのも、その用意する物というのが……
「ありました、ありました。 これが必要ですからね。 えいっ、と」
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