私の決戦前夜

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「よし、今のうちに………………うおっ! び、びっくりした! お、おおお前こんな時間に何してんだよ!」 「る、ルシアさん……!? べ、べべべ別になにもですが……!?」  これはまずい、非常によくないですね。  まさか女性部屋に入ろうとドアノブに手を伸ばした刹那。  お隣のルシアさん専用男性部屋の扉がゆっくりと開き、家主がご登場するとは。  しかも不意の出来事でしたので、つい大袈裟に否定してしまったものなので。 「…………なんか怪しくないか、お前。  一体何を企んで…………あ? その小瓶は?」 「…………えっと、これはその……」  相変わらず目ざとい人です。  やはり気付きましたか……。  こうなっては仕方ありません、と私は超強力精力剤となった液体を、 「……の、飲みますか? これはその…………栄養剤でーす! …………はは」 「飲むわけねえだろ、そんな怪しいもん。 なんか嫌な予感しかしないし。 やっぱり出ていくのが正解だな」  はて、出ていくとは?  ……そういえば、ルシアさんの肩に麻袋がぶら下がってますね。  まるで夜逃げでもするように…………って、まさか。 「る、ルシアさん……そんな荷物持ってどちらに…………?」 「…………うっ、それは……」  
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