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闇夜の暗殺者 始まり
貴族殺しの暗殺者の噂しってる?
聞いたことあるわ!ついこないだまで話題で持ち切りだったのに最近は何も聞かなくなったわよね。
その暗殺者、崖から落ちたらしいわ。国の王子がそれを見たって。
暗殺者って一体誰のことなの?
それはね…
「クロンお姉ちゃーん!森のキノコとってきたよー!」
ネムが、カゴいっぱいのキノコを私に見せつける。
「そうかそうか、1人でご苦労だったな。」
「ひとりじゃないよ!クーゴもいたからノノタケいっぱい見つけちゃった」
ふんすふんすと鼻を鳴らすクーゴをわしゃわしゃと撫でてやる。するとクーゴは仰向けになって、いわゆる[服従ポーズ]をして見せた。
「さて、料理をしようか。ユナさんもお腹を好かせて待ってる。」
相変わらず私は、ユナさんの元でネムとクーゴと暮らしている。家事全般任されているため、食料調達はネム達に任せることが多い。
(そろそろノノタケ飽きたな…)
「ネム、この辺りには街があるのか?」
出来ればいろんな食材が欲しい。
「あるよー?ハトナカトナシティって言ってね、結構大きな町だよ!そこには王様が住んでるんだって」
「今度行ってみないか?」
「(;-ω-)ウーン」
ネムが渋い顔をする。何か嫌なことでもあるのだろうか。
「問題でもあるのか?」
「えっとね…単純に遠いの…」
「なるほど。」
「狼泉の森って国の一番端っこにあるのよ〜。だから移動手段としては歩いて行くか馬車を借りるかだわ!」
(ナチュラルに話に入ってきたな…ユナさん)
いかにも寝起きです感半端ない寝巻き姿にあくびまでしている。
「馬車か…ところでその馬車はどこから借りるんだ?」
「いないわよ?借りれる人なんて」
「え」
「こんな山奥に人がいるなんて思ってるの?!」
「…( ´ ꒳ ` )💢」
「クロンちゃんそんな顔しないでぇ〜せっかくの可愛い顔が台無しだわ」
馬車で行けないとなるとどうするのか
「私がいるでしょう!何を隠そうこの私、、狼泉の魔女様よ!」
(。・ω´・。)ドヤッというふうにユナさんは私達を見た。
「私ほどの力があればテレポートなんて一瞬よ…って言うのは嘘で、私お馬ちゃん飼ってるの」
「あ、嘘なんだ…」
ネムはきらきらさせた瞳を元に戻した。
「だから明日、お馬ちゃんに乗っていきましょうか。ハトナカトナシティに。」
ということで、私たちはハトナカトナシティに行くことになった。
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