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プロローグ
月がなく星だけが綺麗に光る、そんな日の夜の出来事だった。
「私は、私は………君のことが、好きだよ。」
そう言い残して崖から落ちるあなたを、止めることは出来なかった。
(…馬鹿。)
溢れ出す涙さえも止められない、自分の無力さがどうしようもなく苦しくて、悲しくて…悔しかった。地面に叩きつけた拳からじんわりと血が滲む。
「…なんでなんだよ。なんでそういうことを言うんだよ…。」
誰もいない夜、広くて静かな森の中で、消えたあなたを探しに走り出した。
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