過去と現実

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その点、セフレという関係は愛情とやらを絶対要素としていないから、かなり気楽なもの。 行為ができればそれで良し。それ以上もそれ以下も求めなくていい。 俺の胸に両手をついて、自分で腰を前後に揺らす奈都。小さな口から漏れる甲高い吐息にこっちの熱まで上がる。 奈都の不慣れな腰の動きでは、いつしか満足できなくなって、自分で腰を奥まで突き立てるように揺らすと奈都は俺の胸に倒れ込んできた。 「ん、な、凪央っ……やだ」 「激しくしろって言ったの奈都だよ」 俺にはきっとセフレの方が性に合っている。奈都の胸に開いた元カレの穴を埋める方が、愛情を兼ね備えた行為をするよりもずっと楽。 昔は憧れていた。中学時代に見ていた浅倉と吉村みたいなカップルは正直近くで見ていて微笑ましく、羨ましくもあった。 一度別れたとは言え、復縁し今も交際を続けているそのカップルは今でも憧憬する。 「凪央っ……」 「……ん、」 でも、きっと、俺には一生無理で、憧れのまま終わる。
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