497人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、そうはいかない。どんなに好きでも、願っても、やり直せない。奈都が付き合っていた男は結婚して子どもがいる。
もうどうにもならない寂しさ、悲しさ、憤り。俺は奈都のそういうものを埋めるために一緒にいるんだと思っている。
「奈都、」
「ん?」
俺を映す瞳は切なげで、誰を想っているかなんて明確。
「鍋食べたらシよ」
「……鍋中に誘うな」
奈都だって俺に多くを求めていないだろうけど、少なくとも俺はその男を思い出させないくらい強く抱くことはできる。
最初のコメントを投稿しよう!