過去と現実

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過去と現実

別れたのは、俺がまだ中3のときだったから会うのは5年ぶりくらいだった。街中でばったり。偶然。横断歩道を渡るとき、前から歩いてくる人々の中に元カノはいた。 当時から美人だと言われていた彼女の顔を俺はまだ覚えていたらしい。 目が合って、心臓が跳ねたのは俺だけのはずで、元カノの方は「あ」なんて少し目を見張ったぐらいだった。 サッカー部のマネージャーをしていた彼女は、鎖骨までの長さの髪をよくポニーテールにしていた。 ところが、5年後の彼女の髪は胸の下まで伸びていて、明るい茶色に染めていた。緩くウェーブまでかかっていた。 5年も経って髪型が変わらない方がおかしい。俺だってあの頃のような黒髪じゃない。ブリーチもしたし、色はハイトーンベージュだし。 背も伸びて肩幅も広くなって、付き合っていた時の面影なんてほとんど消えている。だからこそ、目が合っただけで俺に気付いてくれた元カノに感動─────……
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