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海の詩〜きらきら
♢♢♢
さっぷーん、ざっぷーんと寄せては引きを寄せては引きを繰り返した波を見つめていた。
もうすでに秋の風が波しぶきと共に運ばれてくる。
「あぁ〜……もう秋なんだ」
他に誰一人いない砂浜で一人ぽつりと顔を上げて遠くまで広がる海とそれに続く大空を見つめる。
あの境界線はどこまで行けば見つけられるんだろう?
休むことなく打ち寄せる波にしか語りかけることは出来ず。
秋の海は、すでに真冬にでもなったかのように寂しい。
「ここにまた戻ってこれるだろうか?」
波に問うてみる。
ざっぷ〜〜んざっぷ〜〜〜ん
「そろそろキミに連れて帰ってもらわないといけないな」
誰かがそっと手を取って返してくれたら良かったのに…海に来る人はいない。
ざっぷ〜〜んざっぷ〜〜〜ん
「わかったよ。じゃ、よろしく頼むよ」
じっと静かにその時を待ち続けた。
そして、とうとういくつかの大きな波に乗って大きな大きな海へ身を任せた。
ゆらゆら〜〜ゆらゆら〜〜
ようやく海底についたとき、みんながまた暖かく出迎えてくれた。
きっとみなの目に見えないけれど、空見上げれば輝く星のように、海の底にも星空がある。
もし、海辺で私を見つけたら「ひとで」ではなく「スターフィッシュ」と呼んでほしい。
だって私は、空に浮かぶ星のように輝いていたいから。
≪完≫
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