1人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわああああああ!!!!」
悲鳴と共に飛び起きる。
夢、だった。
あの日から毎晩見る夢。
自らの肉が焼ける匂いとともに、忘れる事のできない光景。
それは夢では無かった。
私は調査隊、唯一の生き残りとなった。
左足一本の犠牲と、左半身の火傷で引きつった皮膚を引き換えに。
以来、町中の工房からは退き、郊外に庵を構えた。
枕元の灯りを取る。
あれから暗闇では眠れなくなった。
じっと両の手をみつめる。
手と腕が無事で良かった。
これでまだ、鍛冶を打てる。
ふらふらと立ち上がると、私は高炉に火を点けに行く。
奴等を屠る業物を創り上げる為に
最初のコメントを投稿しよう!