ある刀鍛冶のおはなし

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「ほう、先遣調査隊の…生き残り、ねえ…あなたが?」 兵士長だというやけに背の高い、鼻の大きな男は私の姿を一瞥すると、値踏みする様に手渡した長剣の鞘を眺めた。 勇者様に使って頂きたく、献上いたしました お納めください 私は頭を下げる。 「勇者共は自分の得物をお持ちだ。これは誰か手練の者に持たせよう。約束するから行って良いぞ」 はは、と再び私は頭を下げた。 刀身を見てもくれない事に、腹がたった。 だが、私に出来る事はここまでだ。 詰め所を出ると、王城広場で出兵を今か今かと待ち望む群衆に紛れた。
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