ある刀鍛冶のおはなし

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太陽が頂点に届き、正午を知らせる喇叭の音が響き渡る。 続いて演奏は「正義の為の出陣」のテーマに続く。 ここ数十年、聞かなかった曲だ。 広場の群衆は行進の為の道を開ける様に真ん中から2つに別れた。 おう、おう、と歓声が続く。 城門が開かれ、先頭から大旗を持った近衛兵が飛び出してきた。 続いて騎士団。人数も馬の頭数もかつて私が知る時よりも少ない。 兵の補充が追いつかないのだろうか。 片手に手綱、片手に長槍を携えつつ、行進していく。 広場の歓声がどう、と高まった。 勇者達四人が現れたのだ。
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