ある刀鍛冶のおはなし

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光を凝縮して人にすると、こんな顔になるのだろうか。 おおげさでなく、そんな表情だった。 玉虫色のハーフプレート 羽飾りの付いた同色の兜 マントは薫風を受けはためき 腰には優美なフランベルジュ 貴族然としてはいるが、鍛え上げられた体躯。 広場に女性の黄色い声が響いた。 私は改めて自分の容姿を恥じる。 行進が最後尾に来た。 歩兵達、志願兵や傭兵の集団。 年端も行かない少年兵もいた。 私の創り上げた長剣はそんな名も無い一兵卒の腰にあった。
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