ある刀鍛冶のおはなし

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翌日、町中に買い物に出かけた。 半身を隠す為にローブを纏う。 最近は異国から同じ様な格好をした者たちが移り住んでくると聞く。 何でも、火やら氷を自在に出現させる技を持っているらしい。 魔術師だか、魔道士と言ったか。 杖と、義足をコツコツ、と鳴らしながら市場へと向かう。 慣れない人混みに疲労する。 人通りが以前にも増して多い様に感じた。 目つきの良くない者たちが、所々で酒を煽りながらクダをまいている。 集団にぶつかられ、私は転倒した。 チッ、と舌打ちされ、嘲りの目が向けられる。 ヒャハハハ、と下卑た笑い声が去っていった後、 「大丈夫ですか?」 赤子を抱いた市場の御婦人が私に手を差し伸べてくる。 「ひっ」 ぶつかった拍子に、私の被ったローブがめくれていた。 引きつった表情の御婦人。 引きつった皮膚と顔の私。 私の顔を見た赤子はきゃらきゃらと笑い声を上げた。
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