ある刀鍛冶のおはなし

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城下町から城へと至る跳ね橋 その袂に木製の立て看板。 羊皮紙の貼られた表面には墨書きの字が踊っている。 「なあ、あんた」 隣り合わせた襤褸姿の物乞いが声をかけてくる。 同じ匂いを私に感じたのだろう。 「あんた…読めるんだろ?教えてくれんかい?」 この国も読み書き出来る者と、そうでない者がいる。 先代王の治世時には私塾などもあったが、すっかり廃れてしまった。 私も学がある方では無いが、書物を読むために独学で覚えたのだ。 読み上げる。 「勇者御一行が我が国にみえられた 3日後、隣国への魔王討伐に出兵する 腕に覚えのあるもの 正義の到来を待ちわびるもの 勝利の担い手となられたし 求む、傭兵 志願するもの王宮兵士軍 詰め所まで来たれ」
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