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「 すぐに帰る 」と少年は言った
誇らしげに胸を張り 振る手に 握られた帽子
鉄は絶望を生み 夢を絶やすならば
振り返る日を想う 淡き走馬灯
若き命摘み取る無かれ 叶わぬ声 届く訳もなく
最期の時は 昏い闇へと身を任せて
行ってきますと告げたのは
若き日の少年達だろう
踏み積もるガラクタは
棄てておけと吐き捨てた 昨日迄の友
何も残らない荒野は
戦火を駆けた 青年達の最期の地
「 明日は晴れる 」と青年は言った
切なげな広い背に 見えた 背負うは鉄球
夢は希望を生み 思いを託すのならば
見上げる明日を願う 強き志
弱き命摘み取る無かれ 叶わぬ願い 明日に置く
最期の時は 静寂の光へと身を投げて
逝ってきますと告げたのは
強き日の青年達だろう
踏み積もるガラクタは
棄てておけと投げ捨てた 昨日迄のモノ
何も残らない荒野は
戦火へ駆けた 少年達の出生の地
幾万の命が帰る日を願い
幾万の命が帰れぬのなら
連れて行きましょう
青き木々が揺れ 小鳥唄う 愛しき者の元へ
太陽に希望を託した者達が
迷う事無く 薄明の空へと旅立てるよう
故郷へと届く唄の橋を架けよう
BPM108(110でも◎)
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